情報共有書受診前の情報提供(必要に応じて作成)| 腰下肢の痛みについて
※架空の記入例
1主訴・経過・観察した所見
腰〜右下肢の痛み(NRS8)。歩くと悪化・前かがみで軽減、夜間痛で睡眠が浅い。
- 腰部〜右殿部〜大腿後面の痛み(NRS 8/10)。立って歩くと増悪し、前かがみ・座ると軽減
- 右下肢に軽いしびれ。夜間痛で睡眠が浅い(夜間覚醒 2回)
- 歩行距離が低下し室内中心、外出・デイ参加が減少。鎮痛薬で部分的に軽減
NRS 8/10夜間覚醒2回発熱なし体重減少なし(施術時・参考値)
2理学療法評価― 実際に評価した結果(鑑別の手がかり)
間欠性跛行とL5領域の感覚・筋力低下を確認。レッドフラッグは該当なし。
- 疼痛:腰部〜右殿部〜大腿後面、NRS 8/10(安静時3/動作時8)、立位・歩行で増悪
- 姿勢・ROM:腰椎は後屈で増悪・前屈で軽減(後屈30°制限)。股関節 屈曲/内外旋は保たれ疼痛誘発なし(=股関節由来は考えにくい)
- 歩行:連続約100mで右下肢のだるさ・しびれが増悪し休息、前かがみで軽減(間欠性跛行)
- 神経学的所見:右L5領域の感覚低下、前脛骨筋・長母趾伸筋(L5)のMMT 4(左5)、右SLRは軽度陽性(45°で軽い放散)、膝蓋腱・アキレス腱反射 正常
- ADL:寝返り・起き上がりで痛み、靴下着脱に時間、移乗は自立だが緩慢
- レッドフラッグ:膀胱直腸障害(−)/進行する麻痺(−)/発熱・体重減少(−)/安静時の激痛(−)→ 該当なし
評価の見方:「立位・歩行で増悪/前かがみで軽減/間欠性跛行」が脊柱管狭窄を、「L5領域の感覚・筋力低下」がL5神経根の関与を示します。
3考えられる原因の仮説― 評価からの絞り込み(鑑別・診断は主治医に)
主病態は腰部脊柱管狭窄症(L5神経根症)。他は鑑別/二次的要因として整理。
◎ 最も考えられる(主病態)
- 腰部脊柱管狭窄症(L5神経根症) 立位・歩行で増悪/前かがみで軽減/間欠性跛行、L5領域の感覚・筋力低下が一致。
鑑別・二次的に併存しうる要因
- 椎間板ヘルニアによるL5神経根症(鑑別)― 同じ症状の別原因。ただし「前かがみで軽減」は非典型。
- 変形性腰椎症・椎間関節症、筋・筋膜性疼痛・廃用(主病態に二次的に重なりうる)。
※複数の病気が同時にあるという意味ではありません。1を主たる原因と考え、他は鑑別/二次的に重なりうる要因、という整理です。
4受診で確認・ご相談いただきたい点
画像評価の要否・神経症状・鎮痛薬調整・リハ/鍼灸併用の可否をご相談ください。
- 画像評価(X線・必要に応じMRI)の要否
- 神経症状(しびれ・筋力低下・膀胱直腸障害の有無)の評価
- 鎮痛薬の調整、神経障害性疼痛への対応の要否
- リハビリ・鍼灸の併用の可否、活動量を上げる方針の確認
5生活動作への影響と、施術側での対応
鍼灸+運動で痛みと可動域にアプローチ。経過を数値で共有、赤旗は速やかに受診案内。
- 疼痛部位を評価し、鍼灸+運動療法で疼痛・可動域にアプローチ
- 体幹・下肢の運動と生活動作の指導(起き上がり・移乗の工夫)
- 経過をNRS・ROM・歩行距離で記録し、医療・介護職と共有
⚠ 赤旗サイン(すぐ受診を)急な麻痺・排尿障害・発熱を伴う痛み などがあれば、速やかに受診をご案内ください。
※本書について 施術者(鍼灸師・理学療法士)が施術時に観察・評価した内容に基づく情報提供であり、診断ではありません。鑑別・診断は主治医にお願いします。状態の変化に応じて随時お渡しします。